お寺は、古くから日本の社会と文化に深く根付いており、その目的と役割は時代とともに変化し続けています。現代のお寺の目的と役割について考えることは、地域社会や個人の生活においても大変重要です。この記事では、お寺の目的と役割について、詳しく探っていきます。
目次
1. お寺の目的:命のつながりをつなげるため
お寺の最も根本的な目的は、命のつながりを感じ、つなげることです。すべてのつながりに感謝し、その重要性を認識することが、お寺の存在意義となります。
目的を持つことによって、その行動の質が大きく変わります。例えば、先日あった実体験となりますが、ある団体でイベントを開催するための会議がありました。その際、「そのイベントは何のために開催するのか?」という質問が出たことがあります。この質問に対して「目的が必要なのか?」という返答が返ってきました。しかし、目的を明確にすることは、イベントの成功に不可欠です。これは、私がJC(青年会議所)で学んだ「目的」の重要性に通じるものがあります。何のために、誰のために、何をするのかを明確にすることが、その行動の価値を高めるのです。
お寺も同様です。お寺の目的は、ただの建物や儀式の場として存在するのではなく、命のつながりを感じ、感謝する場所であることが重要です。
2. お寺の役割:ご先祖様の供養
お寺の役割の一つとして、お檀家さんから預かっているご先祖様の供養があります。これは他の誰にもできない、僧侶だけにしかできない重要な役割です。
しかし、現代においては、これだけではなく、新たな役割を担う必要があります。これからのお寺と僧侶の役割は、今までの役割に加えて地域の中心になることが求められます。地方は物の時代から心の豊かさの時代へと変化しています。お寺は地域の人々に心の豊かさを提供し、悩みや苦しみを救い、マインドの向上を図る場所としての役割を果たすべきです。さらに、お寺は人々が集える場所を作り出すことで、コミュニティの中心となることが期待されています。
3. これからのお寺のあるべき姿
近年、全国的にお寺の廃寺が進んでいます。昨年のデータでは、7,5万あったお寺が2,5万に減少しました。これにより、多くの地域でお寺が果たしていた機能が失われつつあります。
お寺の役割と目的を真剣に考え、地域の衰退をただ見ているのではなく、積極的に関与していく必要があります。お寺が地域の中心となり、人々の心の豊かさを支える存在として機能することで、地域全体が活性化し、より良い社会を築くことができるでしょう。
宝珠院のある日光市でも、年々人口減少が著しく、現在は7,6万人程です。2045年には4,5万人まで減少するだろうと言われております。日光市を活性化し、住民の質を高め、魅力ある日光市としてあるべき姿を保つ必要があります。
4. おわりに
お寺の目的は命のつながりを感じ、感謝することであり、その役割はご先祖様の供養に加えて、地域の中心として心の豊かさを提供することです。現代のお寺は、これまで以上にその存在意義を再認識し、地域社会における重要な役割を果たすべきです。お寺の未来を考え、その目的と役割を見直すことで、より豊かな社会を築いていくことができるでしょう。現実にその問題がおこるのがわかっていながら、気づかないふりをしてただ仏道修行に励む僧侶にはなりなくないと心から思う。
寺の役割、目的を突き詰め、地域課題を解決できる僧侶でありたい。