お盆に思うこと

お盆に思うこと

7月も終わり、夏本番の8月が始まります。
わたしはいつもこの時期になると、ふと思うことや感じることがあります。今日は、そんなお話をさせていただきたいと思います。

目次

  • 1. お盆ってどんな日?
  • 2. お盆に準備するもの
  • 3. 夏にお祭りが多い理由を知っていますか?
  • 4. おわりに


  • 1. お盆ってどんな日?

    お盆とは、ご先祖様の魂が家族のもとに帰ってくる特別な日です。故人やご先祖様の霊を家に迎えて、供養する1年に1度の大切な行事。日本では、仏教が伝わる前から先祖信仰が根強く、大切にされてきました。また、わたしたちは先祖を信仰し、さまざまなお願いごとをしてきた歴史があります。

    ところで、7/7(旧暦)の七夕というと、彦星様と織姫様が1年1度会える日に、短冊に願いを書いて笹の葉に飾る日というのは一般的に知られていますが、実は、お盆と大変関わりがあるという説があります!
     七夕は別名「棚幡」と書き、お盆の時、ご先祖様を迎える「精霊棚(しょうりょうだな)」に安置する「」と「幡」のことでもあります。7/7(旧暦)の夕刻から精霊棚を設け、そのまわりに5つの幡をたて、僧侶にお経をあげてもらう。ここから棚経(たなきょう)と言うようになったそうです。ちなみに笹の葉は先祖の霊が宿る依代(よりしろ)の意味があります。つまり七夕はお盆行事の一環として執り行われていたとも言われているのです。そのため、「お盆のはじまりは8/7なのでは?」という説もあります。



    2. お盆に準備するもの

    お盆の時期に茄子ときゅうりを用意するのは、旬の野菜であるからです。今年も豊作になるようにとの願いを込めて、これらの野菜を供えていました。お祭りの起源は豊作を祈ることにあります。

    みなさんご存知かもしれませんが、ご参考までにお盆に精霊棚に飾るものを書いておきます。

    ▪️ 盆提灯:盆提灯は、飾る場合と飾らない場合がありますが、初盆で飾る場合は白提灯になります。
    ▪️ まこものゴザ:盆飾りの下には、まこもで編んだゴザを敷きます。
    ▪️ 精霊馬:ナスとキュウリに麻がらまたは割りばしを刺して、馬と牛をかたどった物を供えます。
    ▪️ 麻がら:箸木(はしのき)とも言います。適度な長さに切り、ほうろくという素焼きの皿に乗せます。迎え火や送り火にも使用します。
    ▪️ ほおずき:箸木(はしのき)盆花のひとつで、盆飾りの上からつるす形で飾ることが多いです。

    他にも、そうめんや仏前椀や盆花をご用意しても良いですね。



    3. 夏にお祭りが多い理由を知っていますか?

    この時期、各地でお祭りが行われますね。その中の1つ、盆踊りは夏の風物詩のひとつ。その起源や意味には、「先祖をおもてなしして供養する」という古くから伝わる素敵な思いが込められています。盆踊りの起源は平安時代中期。当時活躍していた僧侶により「節に合わせて念仏を唱える」という思想が広まり、念仏に合わせて踊るようになったことが盆踊り誕生のきっかけといわれています。そんな盆踊りに込められた意味は、お盆に帰ってきた先祖の霊を迎え送るというもの。踊りを通して、先祖への思いを馳せ供養していたのです。しかし、時が立つに連れて仏教行事的な意味合いは薄れ、鎌倉時代中期には娯楽的な意味合いを持つようになりました。江戸時代には、人々の交流のきっかけとして各地で親しまれるようになりました。現代でも、本来の意味を、思いを込めて参加されている方はどのくらいいるでしょうか?

    楽しむことも、ご先祖様はお喜びになります。ご先祖様のことを思いながら、楽しむ。これが本来の盆踊りであって欲しいなと。宝珠院が運営する宝珠保育園では、「御霊祭り」という名前で夏祭りを行なっております。必ず子供たちがご先祖様に健闘献花をしてから始めます。


    4. おわりに

    お盆休み=夏休み。日本人の大人の夏休みは非常に短いです。だからこそ、このお盆休みを利用して旅行にお出かけになられる方も多いことでしょう。それは決して悪いことではありません。ただ、わたしが思うことは、七夕の諸説でお話ししました通り、8/7からご先祖様が戻ってきているので、俗にいう8/13の迎え盆の前にお迎えができること。なので、お盆休みの前にお墓参りに行かれるのはいかがでしょうか?

    昔に比べると、「死」というものが軽く捉えられがちなのかなと感じることもあります。ご先祖様を大切にする心。これは日本人がこれまで大切にきた心だと思います。

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